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阪急電車

読書家で有名な児玉清さんが薦めていた「阪急電車(有川浩著)」だが、今年の春先に図書館に予約、ようやく順番が回ってきた。昨日、今日で一気に読み終えた。

短編をつなぎ合わせたような構成であり、文体もすんなりと入っていく、いわゆる今風の読み易い小説。だがしっかりと登場人物を描いており、ともすると安易なテレビドラマ風になりがちなストーリーだがちゃんとした読み応えのある小説になっている。

テーマは、大事な人との出会い、やさしさ、・・・かな。

阪急電車の今津線(宝塚~西宮北口)という8駅しかない短い路線の電車の中、人と人との出会いをありふれたエピソードをつないでいくストーリー。偶然出会う登場人物たち、それぞれは色々な人生を背負っている。人としてのやさしさ、その人を大事に思う気持ちが、それぞれの心を結び付けていく。

人恋しくなる秋の夜、この本を読み終え、しみじみとした感動を味わい、そして少し幸せな気分に浸ることができた。(特に直前、何十年ぶりに吉行淳之介なんか読んでいたのでよけいに・・・・)

しかしぼくの歳で電車のなかでこの本を読むのはちょっと恥ずかしいが、まぁたまにこのような小説もいいものです。映画でいうと「ALL WAYS 三丁目の夕日」のような感じ。

ところで登場人物の主たる人達が女性で、小学生の女の子から年配の女性の心理をきちんと描いていたが、あとがきを読むとこの作家、有川浩(ひろし)ではなく有川浩(ひろ)という女性作家だということが分かった。

今、混迷した世の中、ぎすぎすした人間関係、疲れきった心、要領がいい者・力の強い者が大手を振って肩で風切って闊歩している時代に心休まる・温まるお薦めの一冊です。

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